《あなたが倒れたって学校から連絡があったのよ! どうして病院にいないの!》


ごもっともな説教に耳が痛い。


「ごめん。体調はよくなって、それからちょっと友達と話をしてたんだ」


《体はもう大丈夫なの?》


「うん。今のところはね。でもちょっと話しておかないといけないことがあるんだ」


母親は何も返事をしなかった。


なにかよくないことだと自然と感づいているのかもしれない。


《気をつけて帰って来るのよ》


「わかった」


電話を切ってから僕は初めて、医師の言う通り後日両親を連れて説明してもらった方がずっと気楽だったなぁと考えたのだった。