「食事しないの?」


「今日は疲れたから、甘いものが欲しい気分なんだ」


慣れない事をしたせいで脳味噌が疲れている。


それから真奈ちゃんはパスタを注文して、2人でもくもくと平らげた。


「それで真奈ちゃん。今日はなにかあった?」


クレープをすべて食べた後、僕は気を取り直して真剣な表情になった。


電話では何も話してくれなかったけれど、こうして直接あえばなにか話してくれるんじゃないかと思っていたのだ。


真奈ちゃんは口についたケチャップを拭き取って、横に置いてあった鞄からおもむろに一冊のノートを取り出した。


空になったお皿を横へどかして、それを広げる。


しかし、ノートにはなにも書かれていなかった。


「なにこのノート?」


聞くと、真奈ちゃんはさも楽しそうな笑顔を浮かべた。


普段は見ない笑顔に心臓がドキッと大きく跳ねる。