だから、僕は大丈夫だと伝えたかったのに、気が付けた頬を涙が流れていた。


「あれ、おかしいな」


頬に落ちる涙をぬぐって首を傾げる。


1度目のときだって僕は泣かなかった。


それなのに、どうして今回は自然と涙があふれ出すんだろう?


きっと、2人が泣きそうな顔をしているからに違いない。


それが僕にも伝染してしまったんだ。


涙がとめどなく溢れ出して止まらない。


そんな僕を見て純平と隆夫も泣きだしてしまった。


大きな高校生が3人で路上に立ち止まり、肩を揺らして泣く。


その光景はとても滑稽なものだったと思う。


それでも僕たちの涙はしばらく止まらなくて、互いの肩を抱きながら声をあげて泣いたのだった。