「そして私にぶつかった」


屋上を指さしていた手がゆっくりと下りて行き、少女は自分を指さした。


僕はそれを見てチクリと胸が痛む。


あの時誰もいないのを確認して撮り下りたつもりだった。


だけど落下している最中にこの子が来て、そのまま……。


「ごめん!」


僕は勢いよく頭を下げた。


こんな謝罪でどうこうなる問題じゃないことはわかっている。


自殺に他人を巻き込んでしまうなんて最低だ。


この子の親族からどれだけ賠償金を請求されたって文句は言えない。


だけど僕はもう死んでしまったんだ。


そして彼女もまた……。


「え、でも、死んでないよね?」


また1人で感傷に浸っていたけれど、僕も少女もちゃんとここにいる。


死んでなんかいない。