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病院に搬送された僕は治療を受けて、診察室で無理矢理先生から余命宣告を受けた。


医師を毎回困らせていることは分かっているのだけれど、こういうやり方しか知らないから仕方がない。


もしも、両親を呼んで後日来院というのを実行したら、きっと1度目の人生よりももっともっと悲劇的なものになってしまう。


そう思えてならないんだ。


「そうですか、わかりました」


余命宣告を受けたときのショックは随分と少なくて、自分でもビックリしてしまった。


だけど僕以上に驚いていたのは目の間にいる医師に決まっていた。


僕があまりにもああっさり受け入れてしまったから、説明を聞いていなかったのではないかと不安になり、もう1度最初から説明し始めてしまった。


僕は笑顔で医師の言葉を遮った。


「ちゃんと聞こえていたから、もう大丈夫ですよ」


そう伝えると医師は納得しかねる表情を浮かべ、しかしどうにか無理矢理に自分を納得させて僕を診察室から出したのだ。


ようやく息苦しい空間から解放された僕は廊下で大きく深呼吸をした。