それよりもこうして変化した日常の方が、今の僕にとってはとても大切な事だった。


それから1人グラウンドの隅に座って体育の授業を見学した。


今まではこの授業にちゃんと参加していて、走ったり蹴ったりしたことで倒れてしまっていた。


僕はぼんやりとサッカーをしている男子だちを見つめて考える。


今回は見学しているから、もしかしたら病魔は僕を襲ってこないかもしれない。


そんな楽観的な事を考えていたとき、不意に胃が痛んで顔をしかめた。


両手で腹部を押さえて体を丸める。


痛みはあっという間に強くなってきて、座っていることも困難だ。


僕は大きく深呼吸を繰り返しながらゆっくりと体を横たえた。


サッカーボールをおいかけているみんなの姿が歪んで見え始める。


あぁ、やっぱり今回もダメだったのかな。


薄れゆく意識の中でそんな事を考える。


と、その時だった。