僕は驚いてまた言葉を失ってしまう。


あの純平が泣いている。


負けん気で力強くて、恐怖の対象っだった純平だ。


隣の隆夫はなにも言わずに空を見上げていた。


「ご、ごめん。僕は……」


どうにか上半身を起こして純平に近づく。


純平は鼻をすすり上げて涙をぬぐった。


「純平ずっと言ってたんだ。お前に裏切られたって」


隆夫の言葉に胸がズキリと痛む。


そんな。そんなつもりじゃなかったのに。


相談すれば迷惑をかけてしまうと思っていた。


僕の両親が絡んだ相談事なんて、誰にもできないと思っていた。


「僕をイジメた理由は、それ?」


聞くと純平は小さく頷いた。