☆☆☆

「お前は勝手にサッカーをやめた」


放課後の校舎裏。


校舎の壁を背もたれにして純平と隆夫は座っている。


僕はそんな2人の前で横倒しになったまま起きれずにいた。


「なにがあったのか聞いても何も説明せずに、たった1人で決断したんだ」


純平が僕を睨んでいる。


「俺たち親友じゃなかったのか? そう思ってたのは俺と隆夫だけだったのか? そう思って随分悩んだんだ」


それは初めて聞く純平の心の中だった。


僕は茫然としてそれを聞いていることしかできかった。


「僕は……その……」


どうにか説明したくて口を開くのだけれど、口の中が切れていて思うように言葉にできない。


それに、胸の中が一杯になって今にも泣きだしてしまいそうだった。


「なぁ、どうしてなにもかも1人で決めたんだよ? 俺たちの目標はお前だったのに」


ポロリと涙が落ちた。


それは僕の涙ではなくて、純平の頬に流れた涙だ。