痛みのせいか、めまいのせいかロレツが回っていなかった。


「わかったよ、説明してやるからとにかく離せ」


純平が根負けしてそう言った。


僕は顔を上げて純平を見つめる。


歪む視界の中で純平が呆れ顔をしているのが見えた。


僕はそれを見てようやく安心すると、純平の足から手を離したのだった。