それだけは避けたかった。


息を切らしながら校舎裏へ向かうと、そこには純平が待っていた。


隆夫は校舎の壁に寄り掛かって立っている。


二度と見たくないはずのその顔を見た瞬間、ホッとしている自分がいてなんだかおかしかった。


イジメっ子に会いたがるイジメラレっこなんて、世界中探してみても僕しかいないかもしれない。


「なんだ、来たのか」


呼びだしておいて純平がそんなことを言う。


ずっと保健室にいたから、そのまま逃げたと思っていたのだろう。


「バカだよなぁお前。なんでそのまま逃げねぇんだよ」


声を上げて笑う隆夫。


2人からすれば僕は本物のバカで、滑稽な存在なんだろう。


だけど僕にも目的がある。


ここに来て、純平に一発食らわせることだ。