ループする度にこのシーンも少しずつ変化しているから、どこからどう攻撃されるか予測ができなかった。


「いってぇなぁ。ぶつかっておいて謝りもしねぇのかよ」


純平がわざとらしく腕をさすりながら見下ろして来る。


腕になんてぶつかってないだろ。


そう言いたいのを喉の奥に押し込めた。


さすがに学校内でやり返すわけにはいかない。


先生に見つかったら余計に面倒なことになってしまう。


純平がグッと身を屈めて近づいて来た。


1度目のときはそれがとてつもなく怖かった。


僕にとって純平は恐怖の象徴であり、その純平が僕に近づいてくるということは、100パーセント良くない事が起こるという事実だった。


だけど今の僕は違う。


前回の7月6日で純平にやり返しているから、恐怖心は半減していた。