それを見た瞬間晴れ渡っていた気分が台無しになり、暗い井戸の底へと突き落とされる。


「でもまぁ、ラクガキならはけるし」


わざと明るく声に出して言い、そのままシューズを履いた。


バカとかアホとか書かれているシューズを、他の生徒たちがチラチラと見て来る。


それでも僕に直接声をかけてきて事情を聞く生徒は1人もいなかった。


みんな面倒事には巻き込まれたくないんだ。


それはもうとっくの前にわかっていることで、僕も期待はしていなかった。


そして教室のドアを開けた時、純平が目の前に立っていてぶつかってしまった。


僕は体勢を崩して後ずさりし、その隙に後ろから近づいてきていた隆夫に足をけられた。


完全にバランスを失った僕はそのまま廊下に倒れ込んでしまった。


こけた拍子に肘を打ちつけて電気が走る。


同時に胃の痛みを感じた。