心が離れている相手のご飯を作り、洗濯や掃除をするのはきっと大変なことだと僕にだってわかる。


不倫を続けていた母親はもちろん最低だ。


家族の中の誰よりもひどい。


だけど、そこにも理由があって経緯があることはちゃんとわかっておきたかった。


「僕とお父さんなら大丈夫。仲良くやっていけるから」


そう言うと母親は頭を垂れて、肩を震わせながら頷いたのだった。