2人きりにさせてくれたようだ。


真奈ちゃんの気づかいに感謝しながら母親の前に立つ。


「直樹、あなた学校は?」


こんなときでも母親としての役目を果たそうとしているのか、そんなことを言う。


だけど視線は彷徨い、定まらない。


「少し、話をしようよ」


僕は肩の力を抜いてそう言ったのだった。