「当たり前でしょう」


冷たい返事に盛大なため息を吐きだす。


せっかくイジメらしいイジメがなくなったというのに、これじゃ台無しだ。


ループなんてしなくても、これから先純平との関係をもっと改善できたかもしれないのに。


「心配しないで。ボコボコにされたらまた家まで運んであげるから」


そう言われて真奈ちゃんの部屋のいい香りを思い出し、ボッと顔が熱くなった。


それを見た真奈ちゃんは一瞬キョトンとした表情を浮かべたが、すぐに理解したようで「なに考えてんの!」と怒鳴ったのだった。


その時の真奈ちゃんの顔は、きっと僕よりももっと真っ赤になっていたけれど。