「つまりそれは……あんたの心残りが解消されていないってことなのかも」


ズズーッとストローでジュースを飲み切って真奈ちゃんが言う。


昨日、帰宅してからの出来事を説明している間に真奈ちゃんのサイダーはなくなってしまった。


「珍しくコーヒーじゃないんだね」


場の空気を和ませるために雑談を挟んだら睨まれてしまった。


「私がなにを飲むかなんて議論をしている場合?」


「ごめん」


僕はどうしてもこの年下女子に頭が上がらないみたいだ。


「とにかく、昨日は自殺しなかった。死にたいとも思わなかったってことでいい?」


僕はコクコクと頷く。


昨日の僕は本当に少しもそんな考えを持っていなかった。


これからの余命をどう生きていくか。