物語の中ではもう佳境に入っていて、主人公は残りの人生を懸命に生き抜きましたとさ、で、終わるところなんじゃないのか!?


頭を抱えて悩んでいるとスマホが鳴り始めた。


画面に表示されている名前を見た瞬間、スマホの音がまるで怒っているように感じられて身をすくめる。


でもこのままでないわけにもいかない。


僕は鳴り続けるスマホを取った。


《ちょっと、どういうこと!?》


出た瞬間に怒鳴られた。


やっぱり相手は激怒しているようだ。


「僕にもなにがなんだかわからないんだ」


《また自殺したんじゃないでしょうね!?》


年下の真奈ちゃんに説教されている気分になってくる。


「そんなことしてないってば」


《じゃあなんて戻ってるの!》


それは僕が聞きたいことだ。


どうしてまた戻ったんだ?