真奈ちゃんは監視するようにジロジロと僕のことを見て来るから、なんだか歩きにくくて仕方なかった。


それでも、こんなときに一人きりじゃないってことは心強い。


「診察室から1人で出て来たね」


「うん。僕が1人で話を聞いてきたんだ」


経緯を説明すると真奈ちゃんは一瞬目を丸くして「あなたって度胸があるのかないのか、よくわからないね」と言われてしまった。


「これから両親に説明するの?」


「そうなると思う」


「できるの?」


そう聞かれると一瞬言葉に詰まってしまう。


自分で自分の余命を両親に告げる。


その時のことを想像すると胃がきしんだ。


「病院の先生に相談した方がいいんじゃない?」