ここで断ったり、渋ったりすれば結局患者に自分の状態を知らせるのと同じことになってしまう。


それでも未成年の僕に直接余命宣告をすることはできない……。


だから僕は押して押して押しまくって無理矢理聞きだしたのだ。


医師や看護師たちが止めるのを振り払い、その場で土下座までして。


思い出すとおかしくなって口もとがゆるむ。


そこまでして自分の病状を聞きだしたかったなんて、ちょっとどうかしてると今なら思う。


サッカー部に復帰すれば純平や隆夫とまた仲良くなれる。


僕の頭の中にはそれしかなかったんだ。


「余命宣告ですか?」


僕は穏やかな口調で質問した。


意識が朦朧とするなか救急車に乗ってここまで来た。


その間に気が付いたのだという様子を出してみたけれど、うまくいったかどうかはわからない。


「どうしてそう思うんだい?」