パチッ
 目を開けてみると、白い天井が見えた。保健室同様の匂いがする。
 「ああ、良かった!心配したんだからね。」
 横を振りむくと、泣き笑いを浮かべたお母さんがいる。
 あれ?私はどうしてここにいるんだっけ。確か、倒れてそのまま・・・ここからの記憶が全くない。
 「ねえねえ、お母さん。なんで私ここにいるの?私死んじゃう?」
 「涼音はね、貧血で倒れたのよ。でも、もう大丈夫、安心して。明日には退院できるって、担当の先生が仰ってたわ。」
 はあ、本当に良かった。私の体になにも異常がなかったようで。ほっ、と息をついた。と思ったのも束の間。激しい眠気に襲われて、私は再び意識を手放した。