「この神社には特別な能力があるんだって!!」
「特別な能力?」
「そう。運命の人と二人で12月8日午後11時59分に、互いに最も大事なものをお金の代わりに賽銭箱に入れるの。そして、二人の心が一つになって同じことを祈ることで、その願いを叶えることができるんだってさ」
「お願い?」
「そう。夢みたいな話なんだけど『本当だ』って俺の爺さんが言っていたんだ。爺さんはその伝説を信じたからこそ助けられたことを俺に教えてくれたんだ。だから、俺も信じることを決めたんだ。」
「そうなんだ。いつかお爺さんみたいに伝説に助けられるといいね」
「そうだね」
俺はあの時、あの場所で君とこの話をしたら、君は笑顔でそう答えてくれたんだ。
そして、そんな君を見て俺は君を守れる存在になりたいと思った。