家に帰ればまた普段と同じような夜がやってきて、いい子でいたい私は勉強をするために机に向かっていた

私は日向にもらった変わることができるチャンスを逃したことがずっと引っかかる

勉強しても頭には何も入ってきやしない

少しそれでイライラしていた時だった

どこかで猫の鳴き声がした

目の前の窓を見つめると黒猫が1匹、こちらを見つめている

“雨が降った”のに黒猫の後ろには日向と見た満月が浮かぶ晴天の夜空が広がっている

どこか落ち着きのない黒猫はミャウミャウと鳴き続けている

少し動物というだけで癒されたのは確かだった

「どうした?お腹空いたの?」

気づけば窓を開いた私はそんな言葉を並べるが黒猫に通用する訳もなく、黒猫はずっと鳴き声を上げる

「私には君の言葉が分かんないよ」

分かりたくても分からない状況にイラつきを思い出させる

猫は必死に何かを伝え続ける

「なによ。君まで私のいい子を待ってるわけ!?」

いつの間にか冷たい声色でそう吐き捨て、窓をピシャリと閉めた

猫を相手する時間が無駄だと思えて、イラつきをより一層増して、また勉強のノートに目を落とした

やっぱり頭には入ってこない

_____何も変えることが出来ない私のせいなのに猫に八つ当たりした

そう気づいた時にはもう猫の鳴き声なんて遥か彼方で黒猫の姿は夜の闇に消えていた

そこからは日向から猫へと引っかかる要素が転換した

所詮猫だものと言い聞かせてその日は眠り着いたと思う

そして次の日の目覚めはココ最近では最悪だった