終業式が終えた教室は昨日よりザワついていた

今日はとても体調はいいとはいえない
昨日は無理しすぎたのかもしれない

歩けばクラクラする中、私は机に頭を預ける形で座っていた

机の冷たさが気持ちいい

「あーー○○じゃーーん」

「1人で何してんのー?」

「友達いないんだからやめてあげなよ」

「まあ、あれだけ調子のれば?友達なんていねぇーわ」

そう頭上でケラケラ笑い声が聞こえる

頭の痛さはピークに達していたのでガン無視をすることにする

「無視とかだるいってー」

「せっかく1人は可哀想だから、声かけたのに」

「私らの優しさ、無駄にする気?」

「いい度胸してんじゃん」

1人が私の頭に手を置いて机に押し付ける

「そんなに机が好きならもっと近づけさせてやるよ」

「ねぇやりすぎ」

「うける」

より一層笑い声が響き渡る

本当に頭が痛いし、動けばめまいする私にとってその手を振り払う事は高難易度だった

振り払わなければそれもそれで痛みが増す

どうしたものか

私にとってこんなこと不快とも思わない

どうでもいい

その一言に尽きる
ただ私に関わって欲しくないのだ

彼女達が味方になった日々を思い出す

どこかで傷つけてしまったんだ

私が悪い

「君達に関心がなかった私が悪かった。本当にモヤがかって、君たちの顔も名前も思い出せない」

そう私は言うとピタリと手が止まる

「それでいつの間にか傷つけていた」

「なにいって…」

私は相手の言葉を遮る

「ずっと踏み台にしようとしていた」

私は初めて彼女達に演じていない言葉を並べている

「はっきりと言えば、利用だね。だから君たちの恨みをかったことは自覚済み」

彼女達は黙りこくった

「私が間違えた方に歩いたおかげで君たちは被害者になったんだ。今更だけどもごめん」

私は続ける

「もう私を1人にしてほしい。傷つけたくないんだ」

やっと言えた

「気づいてたんじゃん。利用されて腹が立ったから仕返しのつもりだった。罪を償うために背負えばいいって。でも」

彼女は真面目な声色で話す

「あんたが1人になろうとすればするほど、自分だけは傷ついていいって聞こえた」

私は目を見開いた

「私らはどうでもいいよ、あんたがどうなろうと。こんなことするぐらい嫌いだし。でも1つ、元友達だったかは知らないけど私は友達だと思ってたし言うよ」

私は本当にちゃんと謝らなければいけない気がする

「自分に素直になってみなよ」

じゃあねという言葉が聞こえた

私は彼女達に最初から向き合えば、こうはならなかった

今もきっと笑い合ってただろう

それ彼女達に悪口を言わせていたのは私だ

彼女達をあぁしてしまったんだ

ちゃんと…ちゃんと謝らなきゃ

「まっ…」

私はめまいのことなんて忘れてガバッと起き上がると

視界はぐにゃぐにゃ歪んで、彼女達の姿はまたモヤがかってしまった