テストが終わりを迎えた
おかげで冬休みが見えてきて教室内はクリスマスの話題で持ち切り
私の周りは未だギクシャクしていて、冬休みの話なんて一切でてこない
染み付いたいい子のフリをして仮面を被っている私は冬休みより身体の限界が見えてきていた
あの日から体調はくずしっぱなしでオマケに学校ではストレス過多だ
時折めまいがしてもグッとこらえる日がここ2日続いていた
家にいても学校にいても私には居場所なんかない
自分で壊してしまったもの
自分のせいだと罰だと言い聞かせこの日々を乗り越える
冬休みを開ければ体調は元に戻る
大丈夫_______
そう言い聞かせていた時だ
「ねぇ○○、話聞いてんの?」
「無視すんなよ、だる」
夏祭りメンバーと人気のない廊下を通って移動先の教室を目指していることさえ、忘れて私は自分の世界に入ってしまっていた
その言葉と同時にまためまいを起こし、言葉が出そうにも倒れないようにするのが最優先だ
「ちが…」
精一杯でた言葉でさえ向こうは聞く耳を持っていない
「はぁぁ、いつうちらと離れてくれんの?」
「まだ無視し続けててんのウケる」
「こんなに態度出してるのに気づかないとか、ほんっとにキモい」
「そろそろ自覚しろよ」
容赦の無い言葉は私の胸に突き刺さる
ずっとずっと気づいてた
君たちの態度の出し方なんて分かりやすい
あれ________
_______そもそも君たちの名前なんだっけ?
顔も思い出せと言われれば、今じっくり見て覚えるだろう
君たちの顔はずっとモヤがかかって見えない
声色は?と聞かれれば一般的な女の人だとしか答えられないだろう
君たちの声はフリー素材と変わらない
匂いはどんな感じ?と尋ねられば、夏の匂いだとしか答えられないだろう
君たちを思い出せばその香りが私の鼻をくすぐって苦しめる。だから思い出したくない
名前も顔も声も匂いも…そもそも存在さえ
最初からどうでもよかった
私にとって所詮モブでしかなかった
そんなモブが今、私に牙を剥く
自業自得だろう
だって私にはきっと取っても取っても取っても
何枚もの仮面がでてくる
そんな仮面が厚くなればなるほど
仮面を選ぶのに必死で
演じることに精一杯で
本当の自分さえ分からないのに
人の事なんて分かるはずがない
そもそも私自身がただのモブなのに。
顔にモヤがかかってもおかしくないのだもの
私の視界に映る君たちはいつか答えた時のように本当にモヤがかって
声は本当に何も残らない声色になって
匂いはまた夏の匂いがする
冬なのに。
そのまま私は意識を手放した
______夢を見た
いつの日か見た新月の夜の日
日向と付き合っている私を客観的に見ている
私はとても幸せそうに笑っている
それと同時に日向は少し辛そうに笑う
手を繋いでも
抱きしめられても
キスをされたって
日向の暖かさを感じるどころか
大好きなあの笑顔さえ見れない
これは紬から奪った世界線なのだろうか
今更こんなもの見せられたって
もう遅いんだよ
もっと前に見せて欲しかった
全部全部壊れる前に教えてよ
本当は_________
日向と…
紬と…
________一緒に笑っていられる日々がよかった
何が私の頬を伝った
上を見上げると葉の雫が落ちてきているように見える
「大丈夫。まだ間に合うよ」
そんな声が聞こえた
前を向くとあの黒猫が座っている
ミャウと可愛く鳴いている
「君の声…?」
そう声をかけると猫はスっと空に消えていく
同時に辺りは空には満月が浮かぶ
私はまた仮面をかぶって演じる
まだ。また間に合うのなら。
それでいいと思えた。
おかげで冬休みが見えてきて教室内はクリスマスの話題で持ち切り
私の周りは未だギクシャクしていて、冬休みの話なんて一切でてこない
染み付いたいい子のフリをして仮面を被っている私は冬休みより身体の限界が見えてきていた
あの日から体調はくずしっぱなしでオマケに学校ではストレス過多だ
時折めまいがしてもグッとこらえる日がここ2日続いていた
家にいても学校にいても私には居場所なんかない
自分で壊してしまったもの
自分のせいだと罰だと言い聞かせこの日々を乗り越える
冬休みを開ければ体調は元に戻る
大丈夫_______
そう言い聞かせていた時だ
「ねぇ○○、話聞いてんの?」
「無視すんなよ、だる」
夏祭りメンバーと人気のない廊下を通って移動先の教室を目指していることさえ、忘れて私は自分の世界に入ってしまっていた
その言葉と同時にまためまいを起こし、言葉が出そうにも倒れないようにするのが最優先だ
「ちが…」
精一杯でた言葉でさえ向こうは聞く耳を持っていない
「はぁぁ、いつうちらと離れてくれんの?」
「まだ無視し続けててんのウケる」
「こんなに態度出してるのに気づかないとか、ほんっとにキモい」
「そろそろ自覚しろよ」
容赦の無い言葉は私の胸に突き刺さる
ずっとずっと気づいてた
君たちの態度の出し方なんて分かりやすい
あれ________
_______そもそも君たちの名前なんだっけ?
顔も思い出せと言われれば、今じっくり見て覚えるだろう
君たちの顔はずっとモヤがかかって見えない
声色は?と聞かれれば一般的な女の人だとしか答えられないだろう
君たちの声はフリー素材と変わらない
匂いはどんな感じ?と尋ねられば、夏の匂いだとしか答えられないだろう
君たちを思い出せばその香りが私の鼻をくすぐって苦しめる。だから思い出したくない
名前も顔も声も匂いも…そもそも存在さえ
最初からどうでもよかった
私にとって所詮モブでしかなかった
そんなモブが今、私に牙を剥く
自業自得だろう
だって私にはきっと取っても取っても取っても
何枚もの仮面がでてくる
そんな仮面が厚くなればなるほど
仮面を選ぶのに必死で
演じることに精一杯で
本当の自分さえ分からないのに
人の事なんて分かるはずがない
そもそも私自身がただのモブなのに。
顔にモヤがかかってもおかしくないのだもの
私の視界に映る君たちはいつか答えた時のように本当にモヤがかって
声は本当に何も残らない声色になって
匂いはまた夏の匂いがする
冬なのに。
そのまま私は意識を手放した
______夢を見た
いつの日か見た新月の夜の日
日向と付き合っている私を客観的に見ている
私はとても幸せそうに笑っている
それと同時に日向は少し辛そうに笑う
手を繋いでも
抱きしめられても
キスをされたって
日向の暖かさを感じるどころか
大好きなあの笑顔さえ見れない
これは紬から奪った世界線なのだろうか
今更こんなもの見せられたって
もう遅いんだよ
もっと前に見せて欲しかった
全部全部壊れる前に教えてよ
本当は_________
日向と…
紬と…
________一緒に笑っていられる日々がよかった
何が私の頬を伝った
上を見上げると葉の雫が落ちてきているように見える
「大丈夫。まだ間に合うよ」
そんな声が聞こえた
前を向くとあの黒猫が座っている
ミャウと可愛く鳴いている
「君の声…?」
そう声をかけると猫はスっと空に消えていく
同時に辺りは空には満月が浮かぶ
私はまた仮面をかぶって演じる
まだ。また間に合うのなら。
それでいいと思えた。