次に崩壊すると思えたのは日向と朝のことが終えてからの教室での過ごす時間だった

いつものように夏祭りのメンバーに挨拶をかけてもどこかぎこちない

それに私をチラッと見てはこそっと何かを話している

明らかに様子がおかしいのだ

何?と聞けばきっとはぐらかされる
私には何も身に覚えがないからこそ気味が悪い

いっそのこと1人で過ごした方が楽なのではと思えるぐらい貼り付けた笑顔がより一層、仮面のように出来がよくなる一方で、日向が最初の頃、自分の世界に閉じこもっていた理由が痛いほど分かるぐらいストレスを感じていた

紬と過ごしていた日々にこんなストレスはなかった

懐かしいとさえ思える
なんで仲良くなったのかも忘れてしまった

きっと大事なことなのに。

_____「○○ってさ、さすがにやりすぎじゃない?」

そう聞こえてきたのは気味が悪いと思い始めて1週間が経った頃だった

私は担任に呼び出され、その帰り道にお手洗いに寄った時に夏祭りのメンバーがいた

「最初は清川くんに近づく紬がキモかったからさ、別れてくれるならと思って丁度よかったんだけどね」

「あそこまでくるともう認めざるおえないよねさすがに〜」

「あんなの見せつけられて、諦めない○○の独占欲キツすぎてウケる」

「いやそれな。清川くんとなんかデート行って紬ちゃんとばったりして修羅場だったって話聞いてドン引きしたもんね」

「ちょーっと美人で仲良いからチヤホヤされて…調子のんなよ」

そんな会話で大笑いしている

私はずっと胸がドキドキして反吐が出そうだった

薄々気づいていたが、あの時の修羅場を知っている人なんて限られている

もしかして紬が…

そう思うと余計に鳥肌が経って嘔気がする

ここでもし、私が何よとキレればスッキリするはずだ

でも怖くて足が震えている

知らないフリを演じれば
笑顔を振りまけば
仮面を外さなければ

ずっとたった一つの月として輝ける

私はイイコのフリをシツヅケル

私はそっとその場から離れた
見つかる前に早く…と颯爽と。

夏祭りのメンバーと一緒にいるなんてどうでもいいことかもしれない

でも私は主人公なのだから、みんなが憧れる理想でいたい

そんなプライドがある

本音は取り巻くものが最初に比べたら変化しすぎて、きっと私の中で何が何だか分からなくなっている

そんな葛藤をしながら私は、今のこの状態をキープするためにワガママを言い続けるあれから聞かなかったフリをし続ける私に気づくわけもなく、ぎこちない日々は続いていく

正直ストレスで心から笑うことさえ分からない

笑うフリだけは
仮面をつけることだけは

日に日に上手くなっていった

紬と私はより一層の溝ができた
というか、私が避けてる

紬は何か話したそうにいつもおはようと声をかけてくる

紬が全部奪ったくせに今更何を…
もうその言葉さえ、いまの私には刃になって突き刺さっていた

___そんな中、私の唯一の楽しみテスト期間に入る

私のワガママを叶えるため1人、教室の椅子に座っていた

窓から入る風で私の髪の毛は揺れる
その風は冷たく冬の訪れを感じた

冬は好きだ

だって空気が澄んで夜空が綺麗だもの
全てが見透かされて見える気がする

私の心さえも

外を見つめれば、みんな

マフラーをして
ブレザーをきて

ここの生徒だと言わんばかりに同じ姿

私もその一員なのだろうか
とけこめているのだろうか

“ずっとそうなりかった”んだから