「あ!凛ちゃん、少し寄り道しても良い?」
「はい。良いですよ?」
一体どこに行くんだろう?取り敢えず、彼に付いて歩いていると凪は可愛らしいお店の前で止まり、中に入って行った。凛も一緒になって店内へ入る。すると、どうやらタピオカ屋さんに来たみたいだった。
「頑張った日は甘いもので自分にご褒美!」
「さ、好きなの選んで」と凪がメニュー表を渡してくれる。
タピオカ抹茶ミルクティーを頼み、凪はシンプルにタピオカミルクティーを頼んだ。出来上がりを待っている間、彼は自分のタピオカミルクティーが作られていく工程を子どもみたいにワクワクとした目で見ていた。
「お待たせしました〜」
可愛い店員さんからタピオカを貰い、二人は店を出る。
「よし、タピろ〜」
「先輩、たまに可愛い言葉使いますよね」
「えータピオカ飲むときは言わない?」
「私は言ったことないです」
「うそ〜」
先輩と一緒に居ると笑顔が止まることがないな……会話は苦手なのに先輩と話しているときはポンポンと次の言葉が出てくるんだ。本当に凄い。
タピオカの美味しさも相まって凛はさらに幸せな気分になった。
デートみたいで楽しいな。先輩はどう思ってるのかな。
「凛ちゃんーー」
「何ですか?」
凪の頬がタピオカでハムスターみたいに少し膨らんでいた。そんな彼を見て凛は可愛いと心の中で悶えてしまう。可愛い。可愛すぎる。
彼はタピオカをしっかり飲み込むと先ほどの笑顔とは打って変わって真剣な顔をした。凛もその表情の変化に驚き、思わず身構えてしまう。
「悔しいと思えるのは凛ちゃんがしっかり頑張っている証拠だから。大丈夫。凛ちゃんなら、必ずオーディション勝ち取れるよ」
「ありがとうございます。先輩は本当に凄いです」
「何回も言わないでー恥ずかしくなるからー」
「ふふ。ありがとうございます!」
凛は満面の笑みを凪に向ける。照れ臭そうに頭をぽりぽりかく凪はどこか嬉しそうな表情をいていた。それからまた二人で歩き出して、他愛のない話をして盛り上がった。二人の空間は誰が見ても幸せそうに映っていた。
あぁ、こんなに心を許せる相手は七海以外では初めてかもしれない。何も気を負わずに笑っていられる。最初は表現力が高くて尊敬できる先輩だなという認識だった。だけど、今ではヒーローのような存在だ。みんなに元気と希望を与えてくれる。かっこいいヒーローなのだ。頑張りたい。この人の頑張っている姿を見ていると自然とそういうポジティブな感情しか湧かなかった。
「今日は元気をくれてありがとうございます。タピオカもご馳走様でした」
いつの間にか二人は凛の住んでいる学生マンションへ着いてしまっていた。
まだ、もう少しだけ一緒に居たい。お話をしたい。でも、わがままは言ってられない。凛は寂しい気持ちを堪えた。凪は察してくれたのか「また後でラインするね」と言ってくれる。
「何かあったら、いつでも相談してね。俺は凛ちゃんの力になりたいから」
先輩の瞳、綺麗だな……笑顔が眩しいな……好きだな……。
あ、私ーー先輩に惹かれている。尊敬できる人から好きな人として気持ちが変わっていく感じがする。だって、こんなにも胸が熱くなっている。もっと一緒に居たいとわがままになっている。こんなことは初めてだ。いつもならわがままな感情は湧かないのに。不思議だ。凛は完全に自分の感情を理解してしまった。
「じゃあ、また明日ね。バイバイ」
「バイバイ……です」
行っちゃった……でも、また明日も会えるもんね。よし頑張ろう。私は負けない。やっぱり、凡才とか演技が下手って言われると嫌な気持ちになる。自信を失いかける。だけど、私が頑張っている姿に元気を貰えると彼は言ってくれたんだ。頑張りたい。どれだけ周りに否定されようと、あなたが掛けてくれた大切な言葉があるからーー。
凪は沢山の良い言葉をくれた。彼の言葉の力で実際に救われた。だから、ほんの少しでもそんな優しい凪の気持ちに応えたい。そう、凛は強く決意をした。
「はい。良いですよ?」
一体どこに行くんだろう?取り敢えず、彼に付いて歩いていると凪は可愛らしいお店の前で止まり、中に入って行った。凛も一緒になって店内へ入る。すると、どうやらタピオカ屋さんに来たみたいだった。
「頑張った日は甘いもので自分にご褒美!」
「さ、好きなの選んで」と凪がメニュー表を渡してくれる。
タピオカ抹茶ミルクティーを頼み、凪はシンプルにタピオカミルクティーを頼んだ。出来上がりを待っている間、彼は自分のタピオカミルクティーが作られていく工程を子どもみたいにワクワクとした目で見ていた。
「お待たせしました〜」
可愛い店員さんからタピオカを貰い、二人は店を出る。
「よし、タピろ〜」
「先輩、たまに可愛い言葉使いますよね」
「えータピオカ飲むときは言わない?」
「私は言ったことないです」
「うそ〜」
先輩と一緒に居ると笑顔が止まることがないな……会話は苦手なのに先輩と話しているときはポンポンと次の言葉が出てくるんだ。本当に凄い。
タピオカの美味しさも相まって凛はさらに幸せな気分になった。
デートみたいで楽しいな。先輩はどう思ってるのかな。
「凛ちゃんーー」
「何ですか?」
凪の頬がタピオカでハムスターみたいに少し膨らんでいた。そんな彼を見て凛は可愛いと心の中で悶えてしまう。可愛い。可愛すぎる。
彼はタピオカをしっかり飲み込むと先ほどの笑顔とは打って変わって真剣な顔をした。凛もその表情の変化に驚き、思わず身構えてしまう。
「悔しいと思えるのは凛ちゃんがしっかり頑張っている証拠だから。大丈夫。凛ちゃんなら、必ずオーディション勝ち取れるよ」
「ありがとうございます。先輩は本当に凄いです」
「何回も言わないでー恥ずかしくなるからー」
「ふふ。ありがとうございます!」
凛は満面の笑みを凪に向ける。照れ臭そうに頭をぽりぽりかく凪はどこか嬉しそうな表情をいていた。それからまた二人で歩き出して、他愛のない話をして盛り上がった。二人の空間は誰が見ても幸せそうに映っていた。
あぁ、こんなに心を許せる相手は七海以外では初めてかもしれない。何も気を負わずに笑っていられる。最初は表現力が高くて尊敬できる先輩だなという認識だった。だけど、今ではヒーローのような存在だ。みんなに元気と希望を与えてくれる。かっこいいヒーローなのだ。頑張りたい。この人の頑張っている姿を見ていると自然とそういうポジティブな感情しか湧かなかった。
「今日は元気をくれてありがとうございます。タピオカもご馳走様でした」
いつの間にか二人は凛の住んでいる学生マンションへ着いてしまっていた。
まだ、もう少しだけ一緒に居たい。お話をしたい。でも、わがままは言ってられない。凛は寂しい気持ちを堪えた。凪は察してくれたのか「また後でラインするね」と言ってくれる。
「何かあったら、いつでも相談してね。俺は凛ちゃんの力になりたいから」
先輩の瞳、綺麗だな……笑顔が眩しいな……好きだな……。
あ、私ーー先輩に惹かれている。尊敬できる人から好きな人として気持ちが変わっていく感じがする。だって、こんなにも胸が熱くなっている。もっと一緒に居たいとわがままになっている。こんなことは初めてだ。いつもならわがままな感情は湧かないのに。不思議だ。凛は完全に自分の感情を理解してしまった。
「じゃあ、また明日ね。バイバイ」
「バイバイ……です」
行っちゃった……でも、また明日も会えるもんね。よし頑張ろう。私は負けない。やっぱり、凡才とか演技が下手って言われると嫌な気持ちになる。自信を失いかける。だけど、私が頑張っている姿に元気を貰えると彼は言ってくれたんだ。頑張りたい。どれだけ周りに否定されようと、あなたが掛けてくれた大切な言葉があるからーー。
凪は沢山の良い言葉をくれた。彼の言葉の力で実際に救われた。だから、ほんの少しでもそんな優しい凪の気持ちに応えたい。そう、凛は強く決意をした。