「本当だね。僕らも彼らみたいになれたらいいのに」


ぽつりと呟いた信行の言葉に私は驚いて目を見開いた。


信行はすぐに自分の失言に気がついたようで慌てて「じゃあ、次の本に行こうか」と、動き始めてしまった。


私は信行の後を追いかけながら、いつかこの小説のキャラクターみたいに告白してくれる日が来るのではないかと、期待を膨らませていたのだった。