競技場グラウンドのテントの中

配給でもらったのはおにぎりとカップ麺とペットボトル緑茶だけだった。

遼真「お茶とおにぎりとカップ麺だけか・・・
   これだけで足りるかな?」
遥「うーんここに来た時、それだけしかもらってないし・・・」

そして、食糧の事で困っていた2人の前に
スカジャンとジーンズ姿の女子高生が突然、テントの中に押し掛けてきた。

シャッ!

女子高生「よっ!こんばんは!」

遥と遼真はそれに驚いて腰を抜かした。

遥・遼真「うわっ‼」
女子高生「親がいなくて寂しいだろ?ハハハ!心配いらないよ!
     なんならアタシも仲間に入れてやるよ!
     じゃ!お邪魔するぞ!」

彼女は鞄を開き、食料を差し出した。

女子高生「ほ~ら、この食糧、大量に持ってきたんだ!
     一緒に食べようぜ!」

彼女の食糧は物凄く大量に備蓄していた。

遥・遼真「はい、いただきます・・・。」

そして3人は食事をしながら会話を始めた。

未夢「じゃあ、さっそく自己紹介するぞ。
   アタシの名は武沢未夢(たけざわみむ)
   目黒南高校に通う高校2年生だ!
   ところであんたらは名前なんて言うんだ?」
遥「あっ私、巣鴨から来た巣鴨中学校に通う
  平井 遥っていいます!中学2年生です!
  そっちは弟の遼真です。小学3年生です。」
未夢「へぇ~、あんたらは巣鴨から来たのか結構大変だっただろうな。」
遥「そうだ未夢さん!ちょっと私から見てもらいたいものがあります!」

遥は持参していた大阪万博のガイドブックを未夢に見せてもらう。

未夢「あっ、これって今年やってる大阪万博か?」
遥「はいそうなんです!明日家族みんなで行く予定でした。
  でも今日発生した巨大地震で行けなくなってしまって・・・」
未夢「あ~それは残念だったな。
   ウチじゃそんな無駄遣いできないからな。」

未夢は大阪万博のガイドブックの表紙の中央の女の子に指をさした。

未夢「じゃあこいつは誰だ?」
遥「あっ、この人は関西府の“縞野雷花(しまのらいか)さん”と言う
  大阪府のおかん娘アイドルです!」
未夢「なるほど!遥は大阪のアイドルにも詳しいんだな!」

未夢「あっ、そうだ!アタシ、ポータブルテレビ持ってきてたんだ!」

未夢はポータブルテレビを鞄から出した。

未夢「ほら!このポータブルテレビ、充電したてで長持ちするんだ!」

そしてポータブルテレビの電源を付けると、
巨大地震に関する臨時ニュースが流れていた。

キャスター「今日午後4時46分頃、関東地方で最大震度7を観測する
      非常に強い地震が発生しました。
      気象庁によりますと、この地震で
      震源の深さは10㎞。震源地は飯田橋断層。
      地震の規模を示すマグニチュードは8.8と推定されています。」

遥「マグニチュード8.8⁉」

ポイント④ 首都直下地震の基本想定はM7クラスであるが、
      震源や深さ、震源地、地震の規模、周期によっては
      M8クラスを上回る場合もある。
     マグニチュードが大きければ、広域になるケースも出ている。

キャスター「東京23区、東京多摩東部で震度7。
      東京多摩西部、千葉県北西部、山梨県全域、
      埼玉県南部、埼玉県秩父地方、静岡県北東部、
      神奈川県東部、千葉県南西部で震度6強。
      埼玉県北部、千葉県南東部、千葉県北東部、
      千葉県南部、神奈川県西部、長野県南部、
      静岡県南西部、栃木県南部、 茨城県南部、群馬県東部
      愛知県東部、岐阜県東部、伊豆地方、三宅島、
      神津島、伊豆大島で震度6弱。
      群馬県西部、栃木県北部、茨城県北部、福島県南部、
      長野県北部、新潟県西部、静岡県西部、岐阜県南部、
      三重県東部で震度5強。」

遼真「凄い事になってる・・・。」
未夢「ああ、それは当たり前だ。
   これからはもっと酷くなるかもしれないな。」
遥「そ、そんな・・・。」
遼真「こんな事って・・・?」

するとテントの中で揺れを感じた。

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

遥「えっ?今の地震は?」
未夢「あれは余震だ。今の地震は小さいけど、
   大きいのも来るみたいだな。」
遼真「えぇ・・・。大阪万博はどうなってるかな?」
未夢「さあな。」

そして3人が話してるうちに、国立競技場は夜更けを迎える。