ユキさんに手伝って貰いながら慣れないドライスーツに身を包み、ヒロさんから改めて、ダイビングのレクチャーを受けた。

「二人とも泳ぎは得意な方?」

「うーん、私、最後にちゃんと泳いだのって中学生くらいだったかも……柚歌は?」

「私も同じくらいかも……大丈夫かな?」

「そうか。でも大丈夫!実はダイビングは、水に対する恐怖心さえ克服出来れば泳げない人でも出来るんだ。耳抜きだけマスターして、あとは俺の指示通りにして貰えれば、柚歌ちゃんと那月ちゃんの初めてのダイビングは絶対素晴らしいものになるって約束するよ」

なるほど確かに。
海辺で見るヒロさんはいつもの何倍も自信に満ちていて、なんだか凄く眩しく見える。ユキさんの言っていたことは、どうやら本当だったらしい。

耳抜きの練習やウォーミングアップ代わりのシュノーケリングの後、私たちはいよいよ、初めての海底探検へと出発することになった。