「うん。ばいばい」

いつかまた会う時は煌が不幸なときだ。そんなの来てほしくないから。

煌に背を向けて、私は教室に向かう。

背中に煌の暖かい無駄に大きな声が触れた。

「いつでも、会いに来て大丈夫だから。」

そんな優しいこと言わないでよ。

だから、私は最後の抵抗で言った。


「さよなら、こう」


まぶたにたまっていた雫が、そっと優しく、私の頬を撫でた。