「分かった。ごめん、あい」

「ん?」

「もう、煌には近づかないから」

私に煌と一緒にいる資格はない。一度信じることをやめた私には、煌の隣にいることが心に何かが巣食うような、そんな気がする。

「別にそこまでは...」

「私が決めたの。もう、あなた達の邪魔はしないよ」

強く藍の目を見つめ、心からの言葉をなげかけた。

「え、うん、ありがと...?」

藍はさっきの私のようにきょとんとして、そしてどこか申し訳なさそうな表情を浮かべながらそう言った。

私は、にこっと笑って教室に向かう。

少しでも自分の中の十字架を小さくできたのだろうか。