「冗談じゃね~。俺はキスでいっぱいいっぱいなんだ。その先は俺がもたない。」

『へっ?』

「ちゃんとお互いにじっくりと堪能したいんだ。スキだスキだ言いながら、もっと体中にキスしまくって。」

『・・・・・』

「そんでもって、澪の骨の髄までしゃぶりつくしてやるんだ。」


あたしの中で忠犬ハチ公扱いに近かった藤崎の
まさかのハイエナ発言に
さすがにドン引きしたあたし。


「だから、今はダメだ。中学生みたいな清い関係から始めなきゃ。あの本能だけの男と俺は違うことを理解してもらうためにもな・・・」

『そうですか、清い関係ですか。』

「そ、そう・・・ダメだ。もう・・もたない。」

『へ~キスだけで、もたないんだ・・・清い関係だね~』

「服、引っ張るな!!!! あ~、離せ。服、ふく!!! あ~、ちょっとちょっと・・・」


あたしに服を引っ張られても必死に前に進もうとする格好の藤崎の耳元で

『清い関係ご希望ならば、あたしが手でなんとかしてあげる?』

もっと危ない想いをさせてあげたくなった。


「あ~、ダメだダメだ。それ、全然っ清い関係じゃね~、大事にさせてくれ~清い関係ってやつを!!!』


今のあたしの意地悪な一言でよっぽどぎりぎりまで追い込まれてしまったのか
藤崎は火事場のバカ力並みの勢いで前進することであたしの手から逃げて浴室に駆け込んだ。