「誰か学級委員長をやりたい人〜」
そう声をかけるのは、久しぶりに担任に慣れて表情筋が緩み気味の藤田先生だ。

つい5分前までは、いわばクラスの雑用係の、学級委員長なんて絶対にやりたくないっと思っていたはずなのに、、。

中学からは内申点がつくことを思い出した私は
急遽、立候補することにしたのだ。
半ばため息を、つきかけながら あたかも「やりたくないのに、、」感を出す。が、やる気満々なのである。

単純に、内申点のためもあるけどもう1つ理由がある。

それは、、「負けたくない!」実は、私は大の負けず嫌いなのである。そのため、このクラスのリーダー的存在つまり、1番になりたい!!
っと思っている。そんな感じで、勢いよく直角に手を挙げた。けど、私以外にも、手をあげている人が2人いた。

1人は、同じ小学校の男子と、別の小学校からきたこれもまた男子だ。名前も、知らない人だけど私、譲らないんだから!

先生が、ちょっと困ったように「どうする?ジャンケンか、それとも演説?」それを聞いた私は、ジャンケンは、弱いので、できるだけ避けたい。

私は、演説がいいです。と言おうとしたとき、ひと足先に「あみだくじにしませんか?」と言った、小学校のときから知っている低い声がいた。

さすがに、これは先生も想定していなかったことだろうが「なぜ、あみだくじなんだ?」と言う顔をしていた。これには、私も驚きのあまり口をポカンとしていた。