体育館に着いた。
「太陽ー」
パッと後ろを振り返ると、明里がいた。
「おー明里。」

「お友達はお出来になられました?」
と、ニヤニヤして聞いてきた。

俺は友達が出来ないって知ってるくせに
この野郎。

「私、太陽くんのお友達ですっっ!」

シュパッと効果音が付きそうなくらい
勢いよく手を挙げたのは、
「夏目…?」



僕の隣にいる女。




そう、夏目 栞だ。


「っていうか、僕ら友達じゃなくね?」

「えっ!友達じゃないのっ?」
あっけらかんとした表情で夏目は言う。

そしてまたすぐ表情が変わり、
「あっ、ていうか太陽くんまた私のこと夏目ってよんだ!」
と、なんか少し怒っていた。

なんでそこまで苗字読みが嫌いなんだろう。
よく分かんないな。