もう一度走って行った太陽を見送って、家の方向へ歩き出した。
帰ろう、帰ってどうしたらあさひが元気になるか考えよう。
やっぱトレントンのいっぱい出て来る回のアニメを見せるのが…
ん?
角を曲がろうと思ったけど、思わず隠れてしまった。見たことある後ろ姿があったから。
あれはあさひだ!!!
もう一度そろーっと角から顔を出して覗いてみた。
わかる、あれは絶対あさひだ。
後ろ姿だけど、あの髪色髪質、制服だってスカートの長さだって靴だってあさひだ。
「………?」
その目の前に知らない男と知らない女がいる。腕組んで、ぴったりくっついて、なのに睨むようにあさひを見てる。
人生経験少ないおれだってわかる、これは絶対修羅場な予感しかしない。
…い、いったん押さえろおれ!
急な現場突入はよくない!状況判断だ!
サキだってむやみに突っ込んだりはしないもんな!!
だけど、…あさひは今どんな顔してるんだろう?
「もうあさひとは別れるつもりだったんだけど、あさひが嫌って言うから」
男が話し出した。それに対して、くっついた女が「ほらね!」って合いの手のように付け足している。
瞬時に理解した。
これだけで十分だった、状況把握をするのに必要な情報は全部含まれてた。なんならもうこれ以上聞きたくない。
「俺的にはもう別れたも当然だったし。これであさひも諦めついたろ?」
あさひを悲しませる言葉なんか聞きたくない…!!!
勢いよく飛び出した。
あさひの前に、両手を広げ守るようにして。
キッと見上げるように男の方を見た。
「なんっだよ、チビッ子」
おれの身長からはもちろん到底叶わない相手、男もそれをわかっている。
「見てんじゃねーよ!」
ドンッと鈍い音がした。それと同時、焦ったあさひの呼ぶ声も聞こえた。
「碧斗!!!」
おもっきり肩を蹴り飛ばされたから。
でも全然平気だ、なぜならこの漆黒のランドセルがクッションになっておれは無傷だから!すごいんだぞ、ランドセルは!小学生なめんなよ!!
おれはめちゃくちゃ怒ってるからな?
「お前最低だな」
「はぁ?」
パタパタと体をはたきながらを立ち上がる。
「碧斗大丈夫??」
あさひが心配そうに近寄って来た。
大丈夫だからと、手を握る。こんなこと大したことじゃないし、そんなことでやられるようなおれじゃない。
だってそんなんじゃあ、あさひのこと守れないから!
「好きな子泣かすなんて最低だ!」
「は?好きな子って誰?あさひのこと?じゃぁ違うな、もう好きじゃないから」
帰ろう、帰ってどうしたらあさひが元気になるか考えよう。
やっぱトレントンのいっぱい出て来る回のアニメを見せるのが…
ん?
角を曲がろうと思ったけど、思わず隠れてしまった。見たことある後ろ姿があったから。
あれはあさひだ!!!
もう一度そろーっと角から顔を出して覗いてみた。
わかる、あれは絶対あさひだ。
後ろ姿だけど、あの髪色髪質、制服だってスカートの長さだって靴だってあさひだ。
「………?」
その目の前に知らない男と知らない女がいる。腕組んで、ぴったりくっついて、なのに睨むようにあさひを見てる。
人生経験少ないおれだってわかる、これは絶対修羅場な予感しかしない。
…い、いったん押さえろおれ!
急な現場突入はよくない!状況判断だ!
サキだってむやみに突っ込んだりはしないもんな!!
だけど、…あさひは今どんな顔してるんだろう?
「もうあさひとは別れるつもりだったんだけど、あさひが嫌って言うから」
男が話し出した。それに対して、くっついた女が「ほらね!」って合いの手のように付け足している。
瞬時に理解した。
これだけで十分だった、状況把握をするのに必要な情報は全部含まれてた。なんならもうこれ以上聞きたくない。
「俺的にはもう別れたも当然だったし。これであさひも諦めついたろ?」
あさひを悲しませる言葉なんか聞きたくない…!!!
勢いよく飛び出した。
あさひの前に、両手を広げ守るようにして。
キッと見上げるように男の方を見た。
「なんっだよ、チビッ子」
おれの身長からはもちろん到底叶わない相手、男もそれをわかっている。
「見てんじゃねーよ!」
ドンッと鈍い音がした。それと同時、焦ったあさひの呼ぶ声も聞こえた。
「碧斗!!!」
おもっきり肩を蹴り飛ばされたから。
でも全然平気だ、なぜならこの漆黒のランドセルがクッションになっておれは無傷だから!すごいんだぞ、ランドセルは!小学生なめんなよ!!
おれはめちゃくちゃ怒ってるからな?
「お前最低だな」
「はぁ?」
パタパタと体をはたきながらを立ち上がる。
「碧斗大丈夫??」
あさひが心配そうに近寄って来た。
大丈夫だからと、手を握る。こんなこと大したことじゃないし、そんなことでやられるようなおれじゃない。
だってそんなんじゃあ、あさひのこと守れないから!
「好きな子泣かすなんて最低だ!」
「は?好きな子って誰?あさひのこと?じゃぁ違うな、もう好きじゃないから」