「でも確かにこの先プリンターは必要になるかもね。一応確認はしてみるけどいくら個室とはいえ病室にプリンターまでは置けないわ」

「なんだ陽菜の病室って個室なのか?」

そんな亨の問いかけに陽菜は疑問の表情で応える。

「そうなの、パパたちが大部屋だとプライバシーが無くなってしまうからってわざわざ個室にしてくれたの。だから余計にお金かかるのよ、なんだかパパたちに申し訳なくて」

「そんな風に思うことないのよ、ママたちはあなたのことが何よりも大切なんだからあなたのためならなんだってするわ。あなたはママたちの大事な一人娘なんだから」

陽子の嬉しい言葉に瞳を潤ませる陽菜。

「ありがとうママ。いつも感謝しているわ」

するとここで亨が一つの案を示した。

「そうだったんだな? だったら一応病室にプリンターを置けるか聞いてみてくれ、陽菜の病室が個室ならもしかしたらオーケーが出るかもしれない、その場合は俺がプリンターを買ってやる。その代わり安いので我慢してくれな」

亨の言葉に隣で聞いていた陽子が申し訳なさそうに遠慮の言葉を口にする。