あれ? 冷凍パスタに、冷凍カレー、冷凍チャーハン……。種類豊富だ。
何だか知らないが、解凍するだけで食べられそうだ。ありがたい発明だな。
電子レンジに入れる。500Wで5分40秒。これで食べられるそうだ。すごいな。本当にありがたい発明だ。
何度だって言ってやろう。電子レンジはありがたい発明だと。
完成したパスタは熱々で、ミートソースと絡みあって美味である。やっぱり冷凍食品は、すごい発明だな。
そんなパスタを僕はゆっくり味わっていた。そんな時だった。
「ごめんくださーい」
なんだ、なんだ。こんな時間に。
ドンドンと扉をたたく音とともに、女性の声が聞こえる。
肉じゃが作りすぎました、的なイベントだろうか。もしそうだったらすごく嬉しいんだけど。そんな幻想を抱いて、僕はがちゃりと玄関の扉を開いた。
そこにいた女性は会社員っぽくて、長い黒髪の可愛い女性で。
両手には……買い物バッグを持っていた。肉じゃがなんか持っていなかった。
「なんですか?」
女性をけん制するように、冷たく言う。
女性の表情は悲しみに満ちていて、なんだか心が締め付けられるほどに悲しそうだった。けれどそんな顔は一瞬にして影に消えた。
「あの、家上がってもいいですか?」
「え? ……え?」
突然来て、家に上げろだなんておかしい。何か意図があるのだろうか。窃盗か。あるいは最近流行っているという詐欺か。
どちらにせよ、目の前の彼女を家にあげる義理はない。ここで追い返すか。けど一応名前は聞いておこう。
「あのー、どちら様でしょうか」
「あ、あ、そうですね。私の名前は、ええと……ペディです」
僕を悩ませるその言葉は、突然として答えを見せてくれた。答えが自分から現れたのだ。
こうなれば話は変わってくる。
「家にあげてもいいですけど、何しに来たんですか?」
「そうですね。ご飯を、作ってあげようかなって」
ああ、そういうことか。それなら、んー、まあでも、『ペディさん』について聞きたいし、家にあげてみるか。
◇◇◇
「おじゃましまーす」
彼女は、玄関にいた時とはうって変わって元気にはしゃいでいる。なんかすごくカワイイ。
「ご飯食べちゃったのかー、もっと食べたい?」
「あ、はい」
何だか知らないが、解凍するだけで食べられそうだ。ありがたい発明だな。
電子レンジに入れる。500Wで5分40秒。これで食べられるそうだ。すごいな。本当にありがたい発明だ。
何度だって言ってやろう。電子レンジはありがたい発明だと。
完成したパスタは熱々で、ミートソースと絡みあって美味である。やっぱり冷凍食品は、すごい発明だな。
そんなパスタを僕はゆっくり味わっていた。そんな時だった。
「ごめんくださーい」
なんだ、なんだ。こんな時間に。
ドンドンと扉をたたく音とともに、女性の声が聞こえる。
肉じゃが作りすぎました、的なイベントだろうか。もしそうだったらすごく嬉しいんだけど。そんな幻想を抱いて、僕はがちゃりと玄関の扉を開いた。
そこにいた女性は会社員っぽくて、長い黒髪の可愛い女性で。
両手には……買い物バッグを持っていた。肉じゃがなんか持っていなかった。
「なんですか?」
女性をけん制するように、冷たく言う。
女性の表情は悲しみに満ちていて、なんだか心が締め付けられるほどに悲しそうだった。けれどそんな顔は一瞬にして影に消えた。
「あの、家上がってもいいですか?」
「え? ……え?」
突然来て、家に上げろだなんておかしい。何か意図があるのだろうか。窃盗か。あるいは最近流行っているという詐欺か。
どちらにせよ、目の前の彼女を家にあげる義理はない。ここで追い返すか。けど一応名前は聞いておこう。
「あのー、どちら様でしょうか」
「あ、あ、そうですね。私の名前は、ええと……ペディです」
僕を悩ませるその言葉は、突然として答えを見せてくれた。答えが自分から現れたのだ。
こうなれば話は変わってくる。
「家にあげてもいいですけど、何しに来たんですか?」
「そうですね。ご飯を、作ってあげようかなって」
ああ、そういうことか。それなら、んー、まあでも、『ペディさん』について聞きたいし、家にあげてみるか。
◇◇◇
「おじゃましまーす」
彼女は、玄関にいた時とはうって変わって元気にはしゃいでいる。なんかすごくカワイイ。
「ご飯食べちゃったのかー、もっと食べたい?」
「あ、はい」