学校に着くと、人だかりができている。

嫌だ、まさかだよね?

だって頑張ろうって言ったじゃん。
いや、でもまだ五十嵐くんかはわからない。

恐る恐る近づいて、人だかりを覗くと変わり果てた様子の五十嵐くんだった。

人をわけて1番前に行くと、頭から血を流していて血の海となっている。

「五十嵐くん!五十嵐くん!」

いくら大きな声で叫んでも、返事が返ってこない。

手を握ると、まだほんの少しだけどぬくもりを感じる。

直感だけど屋上に何かあるかもしれない。
そう思って階段を駆けあがる。

屋上のドアを開けると、靴の隣に白い封筒が置いてあった。

宛先に『笹野 凛様へ』と書いてある。



凛ちゃんへ

今までありがとう。さようなら

                五十嵐 響姫



ただそれだけしか書いてなかった。
だけど、それだけだとしても涙があふれて止まらない。

「うわぁぁぁぁ」

闇のように真っ暗な世界で、叫びに近い声で泣き続けた。