「やっぱりね、スタイルも悪くなさそうだわ、じゃあちょっとテストしてみようか」

「あのっ一体なんなんですか? なんですかテストって」

杏奈は一体なんなのか、なぜ彼らが自分なんかをこんな所に呼んだのか不思議に思っていた。

「杏奈ちゃんあの時モデルになりたいって言っていただろ? うちの事務所にはモデル部門があるからね。島から帰った後社長に杏奈ちゃんの事を話したら僕の見立てなら間違いないんじゃないかって。ほら、あの時君の写真を撮らせてもらったろ? その写真を社長に見てもらったら一度会ってみたいって言うから、だからオーディション、あの時僕に連絡くれるように言ったのはこういう事だったんだ。君の事なんとか出来るんじゃないかってね」

杏奈はまさか自分がオーディションをしてもらえるという事に驚きを隠せずにいた。

「あの時写真を撮ったのはこの為だったんですか? あたしどうして写真なんか撮ったんだろうって疑問に思っていたんです。遥翔さんがあたしの写真なんか撮っても何のメリットもないんじゃないかって」

「そうこの為だったんだ。ごめんねだますようなことして」