「この問題まで解いてから、帰ろうよ」

チャイムが鳴ったと同時に途中まで解いていた数学の問題を放棄した早暮(さぼ)くんを説得する私。

「次、解けば良いじゃん」

早暮くんが開いてあった数学の教科書を閉じる。

「次って……新学期になってから解くつもり?」