なにも言えなくなっていると恵美が一歩前に踏み出してきた。


なにかされる前に立ち上がろうとしたが、地面がぬかるんでいて咄嗟には立てない。


その間に恵美が舞の体を地面に押さえつけてきたのだ。


地面に膝をついていた舞は背中を押さえられて、まるで土下座をするような体制になった。


体がくの字に曲がって呼吸が苦しくなる。


「なにするの!?」


悲鳴をあげても声がくぐもって遠くまでは届かない。


更に愛と淳子の2人が背中にのしかかってきた。


3人分の体重を支えることなんてできない。


舞は完全に地面に突っ伏すような形になってしまった。


その上から恵美が馬乗りになってくる。


少しでも顔を地面から遠ざけるために首をあげていたけれど、愛が両手で押さえつけてきた。


舞の顔はぬかるんだ土に埋もれてしまう。


「彼氏が強いからって、あんまり調子に乗るなよ?」


背中側から恵美の声が聞こえてくる。


舞は必死にもがくけれど、3人の体はびくともしない。


土に埋もれた顔は酸素を吸い込むことができなくて、必死にあえぐ。