☆☆☆

放課後になると、青っちはすぐに教室を出ていった。


今日は母親に買い物を頼まれているのだと、昼休憩の時に言っていたことを思い出して、舞はその後ろ姿を見送った。


青っちが教室からいなくなると、舞に話しかける生徒は1人もいなくなる。


1人でトロトロと帰宅準備をして、ようやく立ち上がったときにはクラスの半分がすでに教室にいなかった。


私も、早く帰って夕飯の準備しなきゃ。


今日は宿題も出てるし。


そう思ってC組組の教室を出ても、なんだか足が重たい。


青っちのあんな噂を聞いてしまってから、どうにも気持ちが沈みがちだ。


青っちが言っていた通り、噂なんて気にしなければいいのにと、自分でもわかっている。


それでも気になってしまうのは、きっと噂の内容が自分ではなく、青っちに向いているからだ。


舞は今まで散々噂されてきた。


その中の大半が恵美たちが考えたデマだ。


それでも、なにを言われても気になんてならなかった。


それは自分に関することだったから。


でも、噂の矛先が青っちに向いてしまったら、やはり無関心ではいられなくなってしまう。