その声は大きくて、教室中に響いた。


瞬間、舞は自分の体温がスーッと下がっていくのを感じた。


あの3人組がこちらを睨みつけている。


他のクラスメートたちも青っちの声に反応してこちらのことに気にしている。


舞は勢いよく立ち上がると、青っちの手を握りしめて教室を出た。


とでも耐えられる空気じゃなかった。


とくにあの3人から感じる鋭い視線。


それは舞の体に突き刺さってくるように感じられた。


ひとの少ない廊下まで移動してきて、舞はようやく足を止めた。


全力で走ってきたせいで息が切れて額に汗が滲んでいる。


しかし青っちは涼しい顔で立っていた。


随分と体を鍛えているし、これくらいのことどうってことないんだろう。


けれどその目は心配そうに歪んで舞を見つめている。


「もう、私に構わないで」


舞は呼吸を整えて、そう言った。


「え? なに、聞こえなかった」


顔を寄せてくる青っち。


舞はとっさに視線をそらせた。


とても直視できそうにない。