「なにしてんだ!」


そんな声が聞こえてきて一瞬3人はビクリと体を震わせて、声のした方へ視線を向けた。


舞はそちらを向かなくて声の相手が誰がかわかっていた。


高い、女の子のような声。


英介だ。


「ぶっ!」


英介の姿を見た瞬間恵美が吹き出して笑い出した。


つられるように他の2人も笑い出す。


舞は1人、うつむいてジッと地面を睨みつけた。


静かになっていた心臓が、また早鐘を打ち始める。


こんな時に、余計なことを。


ギリッと奥歯を噛み締めて怒りを押し込める。


「なんだよ英介か」


恵美の声色はあきらかになめている。


「そっか。舞の彼氏はこっちだっけ?」


ニヤついた笑みを浮かべて淳子が言う。


舞はなにも答えられずにただ地面を睨みつける。