翌日の放課後、舞はいつものようにバスに揺られて病院へ向かっていた。


車窓の外に流れる景色を見つめていても、アマンダの動画を何度も思い出してしまう。


誰もいない病室内。


だけど確かにそこにいるアマンダ。


昔読んだ本の中に透明人間というものがある。


そのお話の中では透明人間になった主人公は好き勝手に遊び回るのだけれど、現実は全然違う。


見えないということは、そこにいなも同じこと。


誰にも存在を気が付かれず孤独を背負うということ。


アマンダの動画はその現実を突きつけるものになっていた。


バスを下りて院内を歩く。


元気だった頃の青っちと何度も行った中庭を通り過ぎてエレベーターに乗り、入院している階へと向かう。


ナースステーションを通り過ぎてもう少しで青っちに会えると思ったときだった。


青っちが入院している部屋の中に看護師たちが慌ただしく入っていく。


中から「大丈夫ですか?」と、声をかけるのが聞こえてきた。


舞は咄嗟に病室へ入ろうとしたけれど、途中で足が止まってしまった。