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みんなで作った折り鶴は、クラスのみんなで持っていった。


青っちは本当に千羽あるツルを見て驚いていたし、ひとつ開いて見せたメッセージには目に涙を浮かべていた。


「ありがとう。みんな、本当にありがとう」


この日は不思議と青っちの体調はよかった。


体が透けることもなく、楽しい時間を過ごすことができたのだ。


それはまるで、青っちの最後の力を出し切ったような、そんな気もした。


そしてそれから青っちの体は急速に変化していく……。


『私はもうすべてが消えてしまうみたいです』


アマンダは入院3周目に入ってそんな動画ブログを投稿した。


画面に映っているアマンダの体は半透明で、透けていない箇所を探すほうが難しかった。


『でも不思議。ここまで透明化が進むと苦しくはなくなるみたい。体力は落ちているけれど、自分で立って歩くことはまだできる。完全に透明になっても歩き続けられるように頑張るわ』


その後もアマンダの動画ブログはアップロードされていたけれど、病室のどこにアマンダがいるのかわからなかった。