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そして待ちに待ったデート当日がやってきた。


昨晩はよく眠ってスッキリ目覚めることができたから、肌の調子は良さそうだ。


出勤前の母親が舞に薄くファンデーションをぬってくれて、ピンク色のグロスも付けてくれた。


ナチュラルメークだけれど、これだけで随分と印象が変わったように感じられる。


鏡の中の自分を見て少し恥ずかしさを覚えながら、昨日決めた洋服に着替える。


その間リビングでつけっぱなしになっているテレビからニュース番組が流れてきた。


『では、次のニュースです。アメリカで非常に珍しい病気が発見されました。体の色が徐々に抜け落ちていき、透明になるという奇病で、それは透明病と呼ばれているようです。体の色が薄くなればなるほど患者の体力が落ちていき、最後には寝たきりになってしまうそうで――』


部屋でニュース番組を聞いていたとき、玄関のチャイムの音が鳴り響いた。