『かぐやの国のアリス』をお読みいただきありがとうございます。作者の入鹿なつです。

 「幽霊や拝み屋が出てくるようなオカルティックホラーが書きたい!」と思って色々調べてたはずなんですが、生まれたのはこんな児童書と90年代少女漫画を合わせたようなファンタジーでした。おかしい。どうしてこうなった。

 有毅と隼になんとなくその辺の名残だけありますね。

 「ウサギ」といえば今ではペットとして人気がありますが、世界各地にウサギをモチーフとした物語や歌が多く伝承されていることを思うと、昔から人々に親しまれてきた動物であることがよく分かります。

 古事記の「因幡の白ウサギ」しかり。
 イソップ物語の「ウサギとカメ」しかり。
 キリスト教にはイースターバニーとして行事に登場しますし、ギリシャ神話では狩猟好きの巨人オリオンがよく狩っていたとされて、星座のオリオン座の足元にはウサギ座があります。

 この『かぐやの国のアリス』のオマージュ元である月のウサギの伝承も、インドのジャータカ神話に由来し、その後日本で「今昔物語集」に収められました。
 中国の伝承では、月ウサギが臼で作っているのは不老不死の薬なんだそう。

 これだけ太古から世界中で愛され、人間の創作欲を駆り立ててきた動物もなかなかいないかもしれません。
 そして私も、例にもれずウサギに創作欲を刺激されたわけです。

 そんなウサギの物語。
 もし楽しんでいただけましたら、ほんの一言でもコメントをいただけますと大変うれしく思います。

 気が向きましたら、別の作品でもお目にかかれましたら幸いです。

 入鹿 なつ