私が最初に写真に興味を持ったのは小学生のころ父の仕事について行ったときだった。

いつも家では明るく愉快な父が、カメラを手に真剣にシャッターを切る姿に強く憧れたのだ。

それ以来何度か父の仕事について行ったが、父の撮る風景写真がとりわけ好きだった。

写真から感じる生命力と雄大さは私の心を大きく動かした。

聞くと、父は世界的にも有名な写真家のようで、父の写真は世界中の人々を感動させているのだから私が魅せられるのも当然のことだった。

中学生になってからは父の古いカメラを譲ってもらい、1人で出かけては色々な写真の撮影に挑戦した。もちろん父のように上手くは撮影できなくても、市の大会で受賞できるくらいには撮っていた。