「片付けくらいして行けよ」


病院から持って帰った荷物だってまだカバンに詰めたままなのに、また散らかしやがって。


仕方なく自分でクラッカーの残骸を片付けながら、ふと脳裏にはあの病院を思い出す。


なんの変哲も無い、普通の病院だと思っていた。


それが、今では黒くくすんで思い出される。


「リナちゃん……」


手を握り合った感触を、今でもしっかりと思い出せる。


霧夜さんの土下座も。


でも……俺はもうあの病院とは無関係なんだ。


それに、誰かが意図的に俺を退院させたのは目に見えている。


「助けたいよ……」


助けたい。